自分の内側の気付きを大切に   森下典子「日日是好日」より

Ryuの書棚

こんにちは。Ryuです。

森下典子『日日是好日』から学んだことシリーズ第4弾。

4章 見て感じること  より。

先生のおじぎ

先生のおじぎに胸をつかれた場面があるんです。これが深い。

少し長いけど引用する

先生は両手を膝の前にそろえて置き、私たち生徒をちゃんと見て、自然にすうーっと頭を下げ、一瞬止まったと思うと、おもむろに頭を上げた。

それだけだった。なのに胸を突かれた。

鳥がほんの一瞬、きゅっと小さく身をすぼませたかと思うと、ふわりと基に戻る仕草をする。それに似ていた。

先生は今、私たちに「敬意」を表した。謹み深く、謙虚に、それでいて卑屈さがなかった。

p76~77

どうだろうか?

一言で言えば、ちゃんとしたお辞儀、丁寧なお辞儀、きれいなお辞儀。

おじぎ一つでここまで描写するのを僕は読んだことがなかった。

おじぎの仕方が、胸を突くくらいきれいなのだ。

思えば、この本の序章は、「あの人タダモノじゃないわ。/おじぎが一人だけ違うのよ。/あんなきれいなおじぎ見たことない」と森下さんの母が武田せんせいを表する場面から始まっていた。そのお辞儀だ。

僕は、武道の達人のお辞儀を思い出した。とても静かな、とてもきれいなお辞儀を。

形と心

おじぎは、ただ「頭を下げる」ことではなかった。頭を下げるというシンプルな動きに、あらゆるものが含まれていた。「形」そのものが「心」だった。いや、「心」が「形」になっていた。

目の前に見えるのは、おじぎをしている、という形だ

人間の一挙手一投足には、その人の生きてきたものが滲み出る、とゲシュタルト療法のパールズは言っている。

また、動作には、その主の心が自然と現れる、という。

武田先生のおじぎは、きれいな形を追求した結果ではない。

おじぎされる側である森下さん達生徒は、先生の生徒に対する「敬意」を感じた。

武田先生のおじぎは、「敬意」という「心」を、具体的な「形」にして表したものだったのだろう。

敬意を払うという「心」を追求した結果、きれいな「形」になった。と理解できる。

どうしたらこの「心」が伝わるか、を追求していった先に、それを表す「形」が立ち現れるのだろう。

先生のおじぎ、ぜひ拝見したいものだ。

まぁ、自分に、この「心」を汲み取れる器量があるかどうか?は問題ではあるけれど。

何も加えず、何も省かず・・・

続いて、先生のお手前がなされる。

特別なことは何もせず、教えている通りにしているだけなのに、何かが違う。

森下さんは「何も加えず、何も省かず・・・そんな『水』のようなお手前だった」と書いている。

以前の記事で触れたこともある鈴木大拙の、講演会の舞台へ向かう歩き方が「早くもなく、遅くもなく」何ともいえずいい感じである、と何かに書いてあったのと似ている。

サントリーウイスキーも、『何も足さない、何も引かない』と美味さを引き出す術をうまく言葉にしている。

平易な言葉で言えば、”ちょうどいい塩梅”。 これが、言うは易く行うは難し!

パン職人は、その日の気候や気温によって材料の配合や焼き時間を微妙に変えるという。ちょうどいい塩梅になるように。

きちんといい塩梅にもっていくには、そこへもっていく高い技術と、いい塩梅を捉える感性が必要なんですね。

目で聴く音楽・リズム

流れるように進む自然なお手前は「『音楽』を目で聴いてるみたい」だとも。

ただ、淡々と行っているのではない、何か流れるようなリズムがそこには感じられる。

能の大成者・世阿弥は、舞台に通底する音楽性についての考察を行っていて、自分の内側からやってくる流れにのってここぞというタイミングで舞う、のが素晴らしい、という旨を述べている(西平直『世阿弥の稽古哲学』 ←この本、めちゃめちゃ面白いのでお勧めです!)

先生のお手前も、この内側からの流れにのっているのかもしれないような、独特のリズムがあるんだろう。お手前を追っていると、まるで音楽を感じるように、リズムや緩急がある。

先生は言う「よく見なさい。見て感じるのが勉強よ」

これはきっと、見て違いを見つける・手順を覚える、とかいった類の、いわゆる分析する、ことを言ってんじゃない。

言葉ではとても言い表せないこのリズム感を体得してね、と言ってるに違いない。だから、見て覚えなさい、ではなく、見て感じなさい、なのだ。

もっと言えば、自分の内からの流れに乗れるように身体の気付きのレベルを上げていってね、ということだ。

まとめ

いかがでしたか?

「心」を先に整え、それに見合う「形」を模索すること

一連の動きに対する自分の内側からのリズムにのること

どちらも、自分の内側の動きが重要。

つまり、大切なことは、自分の内面に気付くことだと学んだ。

あなたはいかがでしたでしょうか?

感想・コメントお待ちしています。では、また。

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自分らしく生きる、自分自身でいることをテーマにブログを書いてます。

自分を押し殺し、他人の価値観や意見ばかり気にする ❝いい子ちゃん❞ だった過去。自分のことが大嫌いでした。
そんな自分をなんとかしたいと心理学を学びプロの心理士として仕事をするも、自分嫌いは克服できずにいました。

そこへ、30代でゲシュタルト療法を受け、人生が180°変わりました。

自分が好きになり、
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他人に合わせてばかりで外面がよく、自分のことが嫌いな”いい子ちゃん”だったけど、ゲシュタルト療法を受けて人生が180°変わった心理士です。
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