こんばんは。Ryuです。今日は、「自分の頭で考える」ということについて書いていきます。
有名ブロガーのちきりんさんにタイトルと同様の書籍『自分の頭で考えよう』がありますが、今回は別のお話です。
が、重複する内容もあるかと思います。
今回はロルフ・ドベリー(←ウィキペディアへとびます)というスイスのベストセラー作家の著書で、日本でも売れまくっているという『Think clearly』の一節の紹介です。この本は、よりよい人生を生きるために必要な思考の道具箱として、52の方法を紹介しています。
自分の頭で考えよう、はそのうちの一つ。よりよい人生を生きる上で、大切な気付きを得られる一章でした。読めば、気付きの一端を得られると思います。
知識の錯覚現象
突然ですが、蛇口をひねれば水がでる仕組みをご存じですか?
蛇口についての知識を0(全く知らない)~10(完璧に説明できる)までで評価してみて下さい。
いかがでしたか?
では、今度は、紙を用意して、蛇口の仕組みを、蛇口を一度も見たことがない人でもわかるような説明で、書いて下さい。
さて、できましたか?
では、もう一度、あなたが蛇口についてどの程度知っているか0~10段階で評価してみて下さい。
この章は、別の例えで、こんな具合に始まります。
恐らく、毎日見て使っている蛇口の説明が十分にできた人は少ないでしょう。
これは、さまざまな事柄について同様のことを試みた研究があり、事柄によらずいつも同様の結果になるのだそうです。
私たちは、何かについての説明を求められるまで、その何かについて「比較的多くのことを知っている」と思い込んでいる。そして、きちんと説明しようとして初めて、自分たちの知識が不完全なことに気付くのだ
これを知識の錯覚現象と言います。
池上彰さんも、小学生に分かるように説明できることが、その事柄をよく理解していると言えること、という主旨のことを述べていたと記憶しています。実際、メディアに台頭するまでに、小学生ニュースという番組を担当してそのことを痛感したそうです。経済学の学生に「日銀の役割とは何か?」と問うと、優秀な学生は難しい言葉を使ってまっとうな説明しますが、じゃぁ小学生にもわかるように説明して、と言われると困る人が多いとか。
深く理解するとは簡単なことではなく、しかし、人はわりと多くを知っている、理解している気になっています。
逆を言えば、自分の言葉で的確に分かりやすく説明できる事柄こそ、深く理解できていると言えます。
社会問題と呼ばれるものは、基本的にとても複雑です。一筋縄では理解も解決もままなりません。だから社会問題として挙げられるのでしょうが。
が、例えば、参政権は何歳から付与すべきか?教育はどうあるべきか?政府の金融政策はどうあるべきか?といった複雑で、答えを出すためには深い理解と熟考が必要な問題でも、人はじっくり検討せずに意見を出しています。
どうしてこのようなことが起こるのか?
周りの意見を基に、自分の意見を作り上げる
認知的節約家である人間は、楽な方法をとります。すなわち、自分でもっと深く調べたり学んだりせずに、自分が属する社会集団(コミュニティ)の意見をそのまま自分の意見にしてしまうのです。鵜呑みしてしまっています。
私たちの意見は流行の服のように、流行りの意見を身にまとっているだけ。コミュニティの意見をそのまま身にまとってまねているだけ、ということがとても多いのです。しかも、無自覚に。
これがより確固たるものになると、イデオロギーと呼ばれ、巻き込まれてよりよい人生など送れない、と著者のロルフ・ドベリは警笛を鳴らしています。
僕がここで言いたいのはイデオロギーの危険性ではないのですが、もう少しだけ説明します。
イデオロギーとは
イデオロギーとは、あらゆる事情に対する説明が用意されており、反論の余地がなく、不明瞭である。
反論の余地がないことは、完璧なように見えて、実はただの思考停止だと気付きます。反論の余地がないことは強味ではなく、むしろ弱味です。議論が止まり、思考が深まらない。
「あなたの世界観を手放さざるを得ないのはどんな出来事に遭遇した時ですか?」
これは、自分や他者が何かを盲信してしまっているかを見極めるのによい質問です。大した答えが出せない・返ってこないのであれば取り込まれている、盲信している証です。気を付けましょう。
取り込まれていると、盲信していると、とても狭い視野で世界を見てしまい、誤った理解に辿り着きやすいです。
自分の頭で考える、自分の言葉で話す
他人の受け売りではなく、じっくり考え、咀嚼し、自分の考えを自分の言葉で語るようにする。鵜呑みにした考えや言葉ではなく、自分のものとなった考えを言葉にしていくことを大切にするのです。
この記事は、原著の1つの章を読んで、自分なりに捉え直して書いています。元の文と構成が似ている部分もあれば、引用もしています。しかし、この章を読んだ自分なりの理解を、自分の言葉で、自分の持っている知識や経験も踏まえた上で、説明しようと試みています。
この作業自体が、鵜呑みにするのではなく、自分なりに噛み砕いて理解して、自分の血肉にしていく作業でもあります。
樺沢紫苑『アウトプット大全』にもあるように、アウトプットがインプットをより強固なものにする、インプットした知識をアウトプットすることでより身につく。などと言います。アウトプットとは、自分なりに整理して自分の言葉で語ることです。語るためにはインプットした情報を整理する必要があります。つまりは、しっかりと検討し、噛み砕き、自分のものとしていって初めて、コピーではないアウトプットができるのです。
正直、コピーの方が、読者であるあなたにとっては分かりやすいのかもしれません。(興味を持った方は、『Think clearly』の第38章を一読することをお薦めします)
しかし、山田ズーニーさんも言うように、「他ならぬあなたが語ることに意味がある」のです。ここで言えば、私が語ることに意味がある。私というフィルターを通して、読んで理解して感じたことを表現することに意味があります。(山田ズーニー『大人の小論文教室』)
僕にとっては理解が深まるメリットがあり、あなたにとっては要約的に理解できるメリットがあり、原著をあたるのであれば、僕との考え方の同異によって考えがより深まるというメリットが生まれます。なので、原著を読んでご意見いただければ、さらにお互いにより成長できます。
最後に
自分の頭で考えましょう。
自分の頭で考えることの最大のメリットを著者は記しています。
自分は世界を理解できていないと早く気付けば気付くほど、世界をさらによく理解できるようになる
ソクラテスの無知の知の境地ですね。この『ソクラテスの弁明』も名著ですね。
何がわからないかがわかるようになれば、それを調べてより理解が深まります。しかし、理解が深まれば深まるほど、より新たな疑問やわからないことが浮かび上がってきます。世界中の研究者は、そうして新たな知見を見出し、新たな発見をし、様々なことを解明していっています。
わからない点に気付くことができると、理解を深めるチャンスに、ひいては、自分が理解を深めて広めて成長するチャンスにすることができます。
自分の頭で考え、わからないことをあぶりだし、調べて、自分の言葉で説明できるまで理解を深めていきましょう。
世界はまだ知らない面白いことに満ち溢れています。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。ではまた。
PS これ⇓もいい本なので一読をおすすめします。
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自分らしく生きる、自分自身でいることをテーマにブログを書いてます。
自分を押し殺し、他人の価値観や意見ばかり気にする ❝いい子ちゃん❞ だった過去。自分のことが大嫌いでした。
そんな自分をなんとかしたいと心理学を学びプロの心理士として仕事をするも、自分嫌いは克服できずにいました。
そこへ、30代でゲシュタルト療法を受け、人生が180°変わりました。
自分が好きになり、
自分の意見や考えを軸に行動できるようになり、
やりたいことややってみたいことにも素直に食指をのばせるようになりました。
本もたくさん読むようになり、さまざまな考え方を柔軟に取り入れられるようになりました。
同じように悩んだことがある方や、今現在自分の生き方に悩む方へ。
あなたらしく生きる、あなた自身でいるための手掛かりやきっかけがみつかりますように、と僕の経験や学びを発信しています。
誰もが自分らしく生きられる世の中にする。
Ryuについてさらに詳しくは自己紹介を読んでくださいね。(↓ボックスのRyuをクリックすると自己紹介ページへとびます)
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