最高に自分らしくあることを教えてくれた、大人が深く感動する絵本『あおいトラ』

Ryuの書棚

こんにちは。Ryuです。

僕は仕事でも我が子の子育てでも、たくさんの絵本を手に取ります。もちろん、基本は子供のために読みますが、中には、大人だからこそ、

これは!!!!!!!!!!!!!

と感銘を受けるものもあります!

感銘を受けた絵本『あおいトラ』

最近、とても感激した、感銘を受けた絵本がコレ

あおいトラ

長沢 明 作 『あおいトラ』です。

話は短く単純、でも奥が深い!

あおいのがやってきました。で始まる1ページ目。

読者としては、青いけどトラなの?タイトルにそうあるからトラなんだろうけど。トラ?

そのあおいのが、てくてく歩いていくとシマウマに出会い、短い言葉を交わします。

こんにちは。

こんにちは。きみは誰?

トラだよ

しましまないのに?

挨拶をかわし、誰だと問われます。シマウマにしてみれば、誰だかわからなかったのでしょうね。トラはもちろん、「トラ」だと答えます。当然、そこに迷いなんぞありません。

しかし!!シマウマに言われてしまいます。「しましま ないのに?」

そう、シマウマにとって、トラとは、しま模様があるべきものだったんです!

トラは凹みます。そして、しょぼくれて歩きながら「トラだもん…」と呟きます。このしょぼくれた顔がなんとも胸をつくのです。これは手に取って見てほしい!

次に、フラミンゴに出会い、また言葉を交わします。

こんにちは

こんにちは。君はだれ?

トラだよ

あおいのに?

またまたトラであることを否定されてしまいます!ピンク色のフラミンゴにとって、トラは黄色(か、もしくは白?!)であるはずのものなんでしょう。

シマウマもフラミンゴも、自分の常識によって判断し、軽い気持ちで「しましまないのに?」「あおいのに?」と返しています。

これに青いのは深く傷つきます。「ヒゲだってあるし…ジャンプだって、ほら!」と飛んでみたところで、もはや周りがちゃんと見えてなかったのでしょう。池に落ちてしまいます。沈みながら、目から涙を流して…。

物語のいいところはもちろん、ここから!!

ぬら~っと巨大なまずがやってきて、青いのを頭にのせて水面から出てきます。巨大なまずの頭の上という高~い位置から、見たことのない景色が広がります。いつも暮らしていたはずの世界が、視点が変わるとこんなにも新鮮に見えるのか!ということに気付かせてくれます。

その景色が、あおいのの何か深い所にまで響いたのでしょう。劇的な瞬間が訪れます。

あおいのは さけばすには いられませんでした。

「うわあ! うわあ!! うおお―――!!!」

うおおお―――!!!

      ぐおおお―――!!!

            がおおお―――!!!

                       「がるるるるるるる!!!」

心の底からの叫び!!!

自分自身の存在証明の雄叫び!!!

自分が自分でここにいるという咆哮!!!

もう胸打たれました!  しびれました! あおいのが自分を取り戻した瞬間です!!

最後にナマズとの会話

「いい声じゃな。おぬしは 誰じゃ?」

トラは勇んで答えます。迷いなく、力強く、

「僕はトラだ! あおいトラだ!!」

誰になんと言われようと、自分はトラなんだ!しましまでもなく黄色や白でもない、あおいトラなんだ!!!

僕は僕だ!!!僕は僕でいい!!!

自分を強く強く肯定できるようになったトラの姿のカッコよさ、清々しさ!読み手の僕が熱くなり、そして、清々しい気持ちになりました!

最後にナマズの一言「そうか。かっこいいな」

さりげなく、他者を全面的に認める言葉。自分の常識に当てはめて批判したり疑問を呈したりすることもない。こういうなまずのような人になりたいと思ったものでした。

最後のページは、堂々と去っていく青いトラの後ろ姿で締めくくられています。

あおいトラはもう、「しましまないのに!」とか「あおいのに?」といった反論に凹むことはないでしょう。自分のアイデンティティを確立し、自分の存在を自分で支えられるようになったのですから。

アイデンティティの確立と自己肯定感

この物語は、アイデンティティを確立していく物語の一つです。

アイデンティティとは、自我同一性のこと。自分が他ならぬ自分であることです。その確立とは、つまり、自分が他ならぬ自分であることを、自分が自信をもって認めているということです。

シマウマとフラミンゴの否定に会い(そして、おそらくは、これは初めてのことではなく、これまでも積み重ねられてきたことなのでしょう)、自分がトラであること、すなわち、自分が自分であることの根幹を揺るがされ、傷つき、自信を失います。

しかし、巨大なまずとの出会いから、視点を変えていつもの世界を見てみると、世界の見え方がいっぺんに変わり、自分は自分でいい!と突如として、自らの内側から何かが突き上げるように、アイデンティティを樹立していきました。最期に、その力強くも初々しいアイデンティティをナマズが支えているのにホロリとしますね。

人間、自分で自分を支えられるようになると強いです。そのプロセスにおいて、信頼できる人からの承認が必要ですね。誰か一人だけにでも認められると強くいられます。

アイデンティティの確立は青年期の重要な発達課題です。自分が何者であるのか?に自分なりの答えを見出すことです。ただ、40歳を目前にして感じるのは、一度はきちんと確立しておいた方が精神状態が安定するけど、答えは変わっていっていいし、一つでなくてもいいということ。むしろ、多少柔軟に流動的であり、肩書がいくつかあるような多様性をもっていた方が、根は強く、折れにくいと感じます。

そして、何者であっても、そんな自分を肯定すること!!!これがホンマに大切!

自己肯定感を高めようって最近よく言われますね。信頼できる他者から認められることは大きな支えになります。しかしながら、人間は移ろいやすいですし、他者依存では自分の存在が危うくなってしまうリスクがあります。信頼できる他者から認められることをステップにして、自分で自分を認められるようになると、誰からも左右されずに自己肯定感を高め、維持できます。こう在りたいですね。

この絵本の編集部だよりに同じようなことが書いてあって嬉しくなったので紹介します。

「自分はいったい何者なのか?」現代に生きる私たちがおそらく井地とは出会うこの問題。答えはたくさんあるかもしれないし、どこにもないかもしれません。でも、たとえ何者であろうともそんな自分を肯定すること。それはとても大切なことではないかなと思います。

我が身を振り返って

10代の多感な頃、いつも人と自分を比べて、できるアイツと比べて自分を卑下していました。自信なんてありませんでした。

また、僕はいわゆる”在日コリアン”で3世です。周りは”日本人である”という揺るぎない、普段意識することもないくらい当たり前の基盤の上にたって生活していた中、僕は少数派である在日コリアンであることに意味のわからないコンプレックスを抱いていました。まさしく、朴一のいう”不遇の意識からの出発”だったんでしょう(朴一『在日という生き方』より)。

これは、大学で在日仲間と出会った中で解消されていきました。今はむしろ、こういう生まれでよかったと思っています。在日である自分でいい、と。

全面的に自分でいい、と自分で自分を肯定できたのは、ゲシュタルト療法を受けた30代半ばでした。他人と比べるのをやめ、自分は自分だ!と自分の軸で自分の人生を生きていけるようになりました。

そうなると、問題や悩みは相変わらず多々あるけれども、一つ一つ自分の手でどうにかしていき、自分の生きたいように生きていこうとするのが楽しくなりました。

そう、エピローグ的な最後のページ(裏表紙の裏)で、颯爽と去っていく後ろ姿を見せてくれているあおいトラのように。きっと彼は、次に「君は誰?」と聞かれたら答えるでしょう。「僕はあおいトラだよ」と。

まとめ

いかがでしたでしょうか?僕の感動は伝わったでしょうか?

アイデンティティの確立や自己肯定感はとても大切なものです。時間をかけて自分を見つめて作っていきましょう。

さて、この本、調べてみたらなんと絵本化されていません!!!!なんでや!

そして、オリエンタルラジオの中田さんが、自信のYoutubeで自己肯定感を高める絵本として紹介したことから人気に火がつき、入手困難となっているようです。嬉しいやら悲しいやら。Amazonではヒットせず、メルカリで若干ありました!

作者の長沢明さん、福音館書店さん、絵本化望みます。Amazon、メルカリでも品薄の中、うまく周知すればすっごく売れて、それがたくさんの人の役に立つと思います。よろしくお願いします!

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自分らしく生きる、自分自身でいることをテーマにブログを書いてます。

自分を押し殺し、他人の価値観や意見ばかり気にする ❝いい子ちゃん❞ だった過去。自分のことが大嫌いでした。
そんな自分をなんとかしたいと心理学を学びプロの心理士として仕事をするも、自分嫌いは克服できずにいました。

そこへ、30代でゲシュタルト療法を受け、人生が180°変わりました。

自分が好きになり、
自分の意見や考えを軸に行動できるようになり、
やりたいことややってみたいことにも素直に食指をのばせるようになりました。
本もたくさん読むようになり、さまざまな考え方を柔軟に取り入れられるようになりました。

同じように悩んだことがある方や、今現在自分の生き方に悩む方へ。

あなたらしく生きる、あなた自身でいるための手掛かりやきっかけがみつかりますように、と僕の経験や学びを発信しています。
誰もが自分らしく生きられる世の中にする。

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Ryu
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自分らしく生きる、自分自身でいることをテーマにブログを書いてます。
他人に合わせてばかりで外面がよく、自分のことが嫌いな”いい子ちゃん”だったけど、ゲシュタルト療法を受けて人生が180°変わった心理士です。
自分が好きになり、自分軸でやりたいことに食指をのばせるようになり、学びが習慣化。
同じように自分の在り方や生き方に悩む方へ、あなたらしく生き、あなた自身でいるための手掛かりやきっかけを得られるよう、経験や学びを発信しています。

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